瀬田様の診断ネタで「パラレルで BL漫画家×恋愛依存症」がテーマになってます。
勢いで書いてしまった。
フーナラの日の絵はまた今度載せに来ます~。





フーゴは机に向かいながら、頬杖をついて頭を悩ませていた。
ちらりと横目でカレンダーを見やる。「〆切」と赤ペンで書かれた日付まで、もう何日もない。
大体の下書きは済んでいるものの、どうしても肝心のエロシーンを上手く描くことが出来ないでいる。
それもそのはずなのは、今向かっている漫画の原稿はボーイズラブと言う男性同士の恋愛を描くもので、加えて言えばフーゴは根っからのノーマルだった。
安直な担当者に流行っているから、と言うだけの理由で路線変更を強いられ、こんなにも悩む事になってしまった。
いっそ自分が1回男を抱いてみりゃあいいんじゃないかと、気付いたら独り言として口にしてしまったようだ。

「なになに、フーゴ、おれとエッチなことすんの?」

浮かれた声が背後から聞こえて振り返ると、そこには昔からの友人のナランチャが立っていた。
切りっぱなしのジーンズの短パンから覗く足が、妙にすらっとしていてフーゴは嫌そうに眉を寄せた。
「きみまだ居たんですか。そろそろ自分の家に帰ったらどうです」
ナランチャはふわふわと宙に浮いたような生活を送っていて、今日の寝床もどこになるのか、その日にならないと分からない。数ある寝床の一つがここだ。
住み心地はいいようで、この部屋にはナランチャの私物がたくさん置いてある。
「いやだねッフーゴが俺と付き合ってくれたらいいよ」
そう言ってフーゴの首にぎゅっと抱き付いて来る。いつもナランチャはこんな調子だ。昔から好きとか付き合ってとか、そう言う言葉を軽々しく口にする。多分誰にでもそうなのだろう。色んな男と付き合っては別れてを繰り返しているようだった。
「ぼくがきみみたいなアバズレと付き合うワケがないでしょう」
「なッアバズレってなんだよ!おれだって選んで言ってンだぞっ!・・・あ、じゃあさじゃあさ、付き合わなくてもいいからえっちなことする?」
「だからどうしてそうなるんですか・・・」
がっくりと項垂れると、ナランチャが覗き込むようにしてこちらを見て来る。
ただフーゴは、ほんの思いつきで、コイツを抱けば漫画のキャラクターの気持ちが分かるかもしれない、と思った。
顔を上げると、今にもナランチャとキスしそうな近さだ。大体いつもナランチャは距離が近い。
離れろよと言って一度ぐいっと引き剥がすと、ナランチャは不満そうに唸る。
「今描いてんのってホモのマンガだろォ?いいじゃん、おれとセックスしたらベンキョーになるかもよ?」
「人としてやっていいのか今考えてるところです」
「えーべっつにいいじゃん。シようぜ~」
あまりにもあっけらかんと、あほみたいな表情で言って来るものだから、フーゴは悩んでいる事が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
フーゴはよしと意を決すると腕を組む。
「じゃあお言葉に甘えてしてみましょう」
「ホントっ?やったァ~~」
「ただしッ1回だけですからね!きみとも付き合わないし、今回だけです!」
「ちぇ、まァいいけど。遊ばれんのは慣れてらァ」
ナランチャがベッドの上にのそのそと乗り上げると、大き目サイズのTシャツがまくれ背中が見えた。
後を追ってベッドに腰掛け、あぐらをかいて座っているナランチャの方へ上半身を向ける。
こんなあほ面に自分が欲情できるのか疑問があるが、やってみて駄目だったらやめればいいだけの事だ。ナランチャも多分気にしないだろう。
ぎし、とベッドが鳴る。Tシャツの裾からナランチャの体へ、掌を滑らせた。当然だが胸はない。漫画の攻役と言われるキャラは、ない胸を触って何が楽しいのだろうか。
女性相手ならキスくらいはするが、昔から友人のナランチャと正直口を合わせたくはない。フーゴはするりとTシャツを捲り上げると、代わりのように胸元に口付けた。
どうしていいのかもよく分からなかったから、舌を出して適当に舐めたり歯を軽く立ててみたりすると、ナランチャの口から声が漏れた。
「んっ・・・はぁ・・・ぁ、あ・・・」
元々声変わりのしていないような高さだ。嫌悪感はなかったが、いやになめったくて耳につく。
そして指で軽く突起を摘むと、ナランチャはもはや演技かのように「ぁあん」と喘ぎ、いよいよフーゴがぶち切れた。
「お前なッ!どこの娼婦のキャラクターだよ!ぼくが描いてるのはもっと女役が清純で内気なんだよ!そんなんじゃあ全然参考にならないぞッ」
「えぇ~?知らねーよそんなのぉ。マンガの方を変えればいいんじゃあないの?」
「今から間に合うかッ!いいか、もっと大人しくして声もガマンしろ!じゃないと続けないぞッ」
そう言うと渋々と言う感じにナランチャは分かったよと、髪をがしがしと掻きながら間延びした声で返事をした。
フーゴは仕切りなおすように息を一つ吐き出すと、またナランチャへの愛撫を再開した。
胸を弄りながら鎖骨から首元、耳の裏に唇を這わせて行く。
皮膚に舌や口が触れる度ナランチャの肩は跳ねたが、声はどうやら我慢できているらしい。
「やればできるじゃあないですか」
フーゴがそう言うとナランチャは嬉しそうに歯を見せて笑う。耳たぶを舐めて甘く噛みながら、下腹部を服の上からなぞると、今度はこらえ切れなかったようにふっと小さい嬌声が溢れた。
男でも女でも弱いところは一緒だなと思いながら、フーゴはショートパンツのホックを外し、下着の上から固くなったものをなぞるように擦った。
「はっ・・・、っ・・・・ん、・・・ぅ・・・」
先ほどの甘ったるい声とは違う、鼻息と混ざってくぐもった声だ。フーゴに言われたことを守って、シーツを掴み太ももを震わせながらも我慢しているのだ。
なんだかいじらしく感じてしまい、フーゴの心の端に少しだけ愛しさが芽生えた。
耳から舌を離して、唇に口付ける。あーキスしちまった・・・と言う気持ちはあったが、もうここまで来ればどちらにせよ同じことだ。
舌同士が交わる深い口づけを受けながら、ナランチャはフーゴの首に手を回し指を髪に差し込んだ。
しかし手を下着の中に入れ直接触れさせると、フーゴは思わず口を離した。
「え・・・男でもこんなに濡れるんですか?漫画の中だけの話だと思ってました・・・」
若干引いているフーゴに、ナランチャは頬を赤くしながら怒った。
「しょうがねーだろ!生理ゲンショーなの!もういいから早くしろよォ」
「いやでもせっかく自分を捨てて漫画のためにこんな事しているんですから、きみももうチョット協力して下さいよ」
「えー。協力ってぇ?」
「今の気持ちとかどう感じてるのかとか、教えて下さい」
「ウーン、羞恥プレイってやつ?」
「違います!」
ナランチャは面倒そうに目線をそらすと、仕方なく喋り始めた。
「・・・漫画描いてる時いっつも手ばっか見てたからさァ・・・その指に触られてるのってなんかコーフンする。それに引きこもりのクセにさ・・・なんか・・・うまいし・・・」
語尾はぼそぼそと言って聞こえづらかったが、フーゴからすれば思ってもないセリフが返って来た。その言葉に射抜かれてしまい、気付くと止めていた指をまた動かし始め、下腹部を握り扱くように上下に動かし始めた。
「それから・・・舌が、・・・ぅっ、ぅうッ・・・、ぅぁ・・・っ」
自分で感想を聞かせろと言ったくせに、性急な愛撫をして、ナランチャを快楽の波へと引きずり込んで行く。
漫画の知識で男同士のセックスの仕方は想像がついていたから、ナランチャをベッドに押し倒し足を上げさせると指を後ろの窪みへゆっくりと埋め込んだ。
「~~~~ッ!ふぅっ・・・うぅっ・・・ぅあっ」
どこが気持ちいいのか指の腹で探って行くと、内壁を撫でる度にきゅっと締まった。指を増やしてしばらくぐちゃぐちゃと掻き回す。これがもう慣れて自分のものが入る状態なのか分からないでいると、ナランチャが控えめに愛撫をするフーゴの腕に手を伸ばした。
「ふ、フーゴ・・・もう・・・」
いつもはあほ面のナランチャの顔が、紅潮して目尻に涙を溜めている。
フーゴは指を引き抜いて自分のジーパンのホックを外してファスナーを下げると、熱を持った自身を取り出しそこへあてがった。
「・・・いいのかな」
そう聞くと、ナランチャはこくんと小さく頷いた。腰を持つとそのまま奥へと押し進めて行く。濡れてはいるのに少し狭さを感じた。
入れている途中で何度か中がぴくぴくと締め付けるように蠢く。フーゴはうっと息を呑んだ。
額に汗を浮かべながら、そのまま奥まで入れるとジグソーパズルが繋がるように、ぴたりと形が合わさった。
「ナランチャ・・・はぁ、・・・」
「はぁ、フーゴぉ、きもちいい・・・」
もう漫画のキャラを演じるのは忘れたのか、ナランチャはとろんとした瞳で見つめて来る。
フーゴの呼吸が乱される。凄く中が気持ちよかった。こんなの女に戻れないんじゃないかと思うくらい、気持ちよくて動かしたら今にも達してしまいそうだ。
「もっと動かして大丈夫だよ、フーゴぉ」
背中に手を回し、更にフーゴの腰に足を巻き付けて来る。今動いたらヤバイと思って、フーゴは時間稼ぎに話題を振った。
「っ・・・ぼくの描いてるリークは、そんなこと・・・言わない」
「まだ漫画の話かよォ。リークってネコ役の?じゃあタチのやつはエッチの時なんていうんだよ」
タチ?と一瞬疑問に思ったが、おそらくナランチャが言う所の男役と言う事なんだろう。
「・・・『どうして欲しいの?ちゃんと言わなきゃ、分からないよ』」
「あーそう言うのね。なるほどね。ンー」
ナランチャは息は上がっているものの、フーゴよりかは少し余裕がありそうな口調だ。
「・・・もっと突いてくれよォ。おれフーゴの熱いちんこでぐちゃぐちゃにされたい」
「・・・ッばか。そんな事ぼくの漫画のキャラが言うわけないだろ」
確かに漫画のキャラは言わないが、今のフーゴの興奮を煽るには最高の言葉だったようだ。
フーゴは低く唸ると肘をベッドにつき、ナランチャと唇を重ねながら腰を動かし始めた。
「はぁっ・・・ナランチャ・・・っ」
切羽詰ったフーゴの声に、ナランチャはふと気付いたようににやりと笑った。
「あっぁッん、もしかして、フーゴ、イっちゃいそうなのか?っんぅっ」
緩い揺さぶられ方に、ナランチャはがしっと足でフーゴの腰を挟むと、自ら激しく腰を振り始めた。
「ぅうっナランチャ・・・っや、やめてください・・・っ」
「ふっふー、やっぱな・・・はぁ・・・ぁん・・・っ」
フーゴは眉を寄せて目をぎゅっと瞑り、下腹部に力を入れて耐えているようだ。
気付けばキスもナランチャ主導になっている。フーゴは舌も絡め取られ、自身も肉厚な内壁に扱かれ、頭の中が真っ白になり何も考えられなくなっていた。
「はぁっ、ナランチャ・・・ッ、すいません、ぼくもう・・・だめです・・・っぅぅッ」
「んっ・・・いっぱい中で出していーんだぜ・・・っ」
ナランチャが優しそうに微笑むと、フーゴは思わず奥でどくどくと精を吐き出した。
「ナランチャっ・・・は、ぁ・・・っ」
心臓の鼓動が激しい。今までに味わったことのない快感に腰が抜けそうだった。
荒い呼吸をなだめるように、ナランチャがよしよしと背中を撫でてくれ、ようやく意識がクリアになって行く。
「ずるーい、お前ばっか」
「うっ、すいません・・・」
「いーよ。でもさ、このままもう一回・・・」
ナランチャに引き寄せられるがままに、フーゴはまたシーツに埋まった。
その日はもう自分が何回イったのかよく分からなかった。
朝方に意識を失うように眠って、次にはっと我に返ったのは、すっかり太陽も昇った昼のことだ。
フーゴはだるい体を起き上げ、ぼんやりと机に目線を向ける。描き掛けの原稿があった。
その目線を今度は、隣ですやすやと小さな寝息を立てているナランチャに向けた。

次はヘタレ攻の漫画を描こう。

フーゴはなんとなくそんな事を考えた。



<END>

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