弱虫ペダルログ置き場
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2011.05.23
バナ絵
ヘッダーの絵を変更したので、古いヘッダ絵を置いておきます。
hedrochi.jpg


近々このブログを改装します。
他のジャンル(テイルズ・弱虫ペダル)と統合する事になりますので、どうぞよろしくお願いします!



--------------------
『恋の撮影現場(後編)』



セットは完成されていて、大きなベッドの周りを囲むように、照明器具が置いてある。
今回は男Bが男Aを、デート帰りにホテルに誘った、と言うような設定らしい。
ただAV業界では、そんな細かい設定はわりとどうでもいい。
どうせベッドシーンから始まるのだ。
千景はとりあえずベッドの端に腰を下ろした。
すると京平が腕まくりをして、方膝を千景の隣に載せ、上から見下ろしてくる。
(あ、帽子外したんだ・・・)
いつも被っていたニット帽は、撮影の時はさすがに取るらしい。
額から撫で付けられた髪までもが、男らしく見える。
「目、つぶってろ」
「え?」
「いいから」
千景は言われた通り目蓋を落とすと、スタッフの声が響いた。

「じゃあ回しますねー、はい、3、2、1・・・」

掛け声が掛かると、京平の手が動いた。
今まで話し声が聞こえていた現場も、途端に静かになる。
京平の息遣いまで聞こえてきそうだった。
指先が、頬に触れる。そのまま髪に差し込み、千景の顔を上に向かせる。

「千景」

名前を、呼ばれた。
その瞬間心臓が大きく高鳴った。
別に本名を呼んだわけじゃない、この役の男の名前を呼んだだけだと言うのに。
唇が覆い被さってくる。少し厚めの男らしい唇だった。
何度か啄ばむように軽く口付けられた後、舌が侵入してくる。
「・・・っ」
舌が混ざり合う、独特のぬめった感覚だ。
あまり激しくもなく、緩やかに伝わって来る生暖かい感覚に、少しだけ千景の緊張が解れて行く。
(キス、上手い・・・)
一体京平がどれくらいこの仕事をしているのかは分からないが、現場の空気からは、自分より大分先輩なのだと言う事は分かっていた。
千景は無意識に、自分からも欲しがるように舌を伸ばす。
そこで口が離され、千景の唇からは伸ばされた舌が淫らに映し出されてた。
「・・・脱がしていいか?」
すべてを許容するような、優しい口調だった。
千景は言われるままに頷いた。
シャツのボタンに無骨な指が伸びる。
服を脱がせながら、京平は耳元に唇を寄せ、耳朶を甘く噛んだ。
「・・・好きだよ」
聞こえてきた言葉に、ぞくっとして全身粟立った。
勿論これは京平の告白なんかではなく、その役の雰囲気作りの言葉だ。
それは分かっているはずなのに、心臓の鼓動がおさまらない。
「お前は・・・?」
そう聞かれて、千景は口ごもってしまった。
肌を撫でて行く指が、吐息を熱いものにさせて行く。
今の自分が言葉に出したら、何かまずいのではないかと危機感を覚えた。
京平は千景の後ろに座ると、背後から腕を回し、はだけた胸元を優しく撫でて行く。
「ちゃんと言ってくれたら・・・ 骨まで溶かしてやるよ」
わざとだ。
千景は分かっていた。
先ほど低い声が好きだなんて言ったから、わざと耳に唇を寄せて、艶のある声を響かせているのだ。
ただそれが本当にうっとりする位心地が良くて、ぬるま湯に浸かっているように頭がぼうっとして来てしまう。
口が自然と薄く開き、声がこぼれる。
「す・・・好き・・・」
「ん?」
「あ、あんたが・・・好きだ・・・、っ」
言葉になった声は、自分でもびっくりするぐらい上擦っていた。
聞いてる方はこれが演技だと言うのなら、大層な役者だと思うだろう。
京平は顎を掴んで顔を上げさせると、唇を交わしながら千景のジーパンのホックを外し、ジッパーを下げた。
「足、開け」
聞こえるか聞こえないか、それぐらいの小さな声で、千景に指示する。
言われた通り少しだけ開くと、京平の腕が下腹部を掠めた。
下着の上から擦るように何度も撫で付けてくる。
足が震えた。
恐怖や怒りで体がわなないた事はあったが、快楽で震える事があるなんて知らなかった。
根元の部分を少し強めにきゅっと握られると、体が大袈裟なぐらいびくっと跳ねる。
「なんだ、苛められんのも好きなんじゃねぇか」
耳元でそう聞こえた気がした。先ほどと同じように、かなり小さな声だ。
「なら、目ぇ開いてみな」
千景は最初に京平に言われた事を律儀に守って目を瞑っていたのだが、ここに来て、薄くゆっくりと瞳を開いてみた。
まず驚いたのはその光量だ。かなり眩しく感じる。
目が慣れてくると、照明の間に人が立っている姿が見える。
他人に見られているのだ、と初めて意識した。
京平が背後に回ったのも、足を開けと言って来たのも、カメラで撮影しやすいようにだったのだ。
そしてあの小さな声は、マイクで拾えないようにする為だったのだろう。
千景は急に羞恥心が襲ってきて、全身に熱が広がって行った。
「あ・・・あ、・・・」
震えた声が荒い息と共に零れる。
カメラの大きなレンズを向けられると、なぜだか目を逸らす事ができなかった。
京平は引き続き右手で下腹部を愛撫し、左手で胸元の突起物を摘むと、首筋を舌を立てて舐め上げた。
「ひぁ・・・っぁ、ちょ、・・・待・・・っ」
突然色々な箇所を攻め立てられ、千景は背筋をのけぞらせた。
興奮して立ち上がっている千景のそれは、先端部分だけ下着から露出していて、布に濡れた染みを作っている。
京平は布越しに千景自身を上下に扱いた。
「はぁ・・・っ、ぁ、そんなの・・・駄目・・っ出る、声出ちゃうからぁ・・・っ」
口から出て来る喘ぎ声は、まるで嬌声のように喜んでいるように聞こえた。
心臓の強く打っている音が自分でも分かる。
(あ・・・やばい、ぶっ飛びそう・・・)
まるで自分の体ではないように、コントロールが効かない。
刺激が物足らなくて、自分で腰を動かし始めてしまった、その時。

「カッート!1回テープ止めます!」

一瞬、何を言われたのかよく分からなかった。
途端にスタッフが動き出し、がやがやと雑音が聞こえて来る。
千景は完全に京平に預けていた背中を、はっと気付いて起こした。
振り向くと、京平は指先についた液体をぺろっと舐めて、千景と目線を合わせる。

「ガキ」

口端を上げて笑みを浮かべる京平に、千景はこのまま逃げ出したいような気持ちに駆られた。
何も言い返せぬまま、ほてった体だけが恥ずかしくて、前のめりになってベッドに手を付く。
なんだか急にぐったりと疲れてしまった。
「お前。そんな顔してんのに、AVなんてもったいねぇぜ」
言われた意味が分からず、顔だけ上げて訝しい表情をした。

しばらくするとスタッフがやって来て、カメラの調子が悪くなってしまい、これ以上は今日は撮影できないとの説明を受けた。
事務所にはこれから説明するとの事だったが、千景はこのやるせなさをどこにぶつけていいのか分からなかった。
脱がされたシャツのボタンを止めて行くと、京平から話しかけられる。
「プライベートで抱いて欲しけりゃこの後付き合ってやるよ」
千景は眉を上げてきっと睨み付けた。
「いらねぇよ!調子に乗ってんじゃねぇっ」
つい手が出てしまいそうになって拳を振り上げると、その腕を逆に掴まれてしまう。
「っと。そうか、じゃあアレは全部演技だったんだな。大したもんだぜ」
軽い口調で笑いながら立ち上がって、京平は周囲に挨拶をしながらスタジオを去って行った。

(もう二度と会いたくねー!)

千景は心の中でだけ叫び声を上げた。


◇◆◇◆◇


しかしそうは言っても、月曜になると工事は始まってしまう。
千景はいつものように工事の音で目が覚めて、ぼさぼさの頭を指で梳きながら、窓の方へと膝で歩いた。
なんとはなしに京平を目線で探し始めた所で、はっとなって目を開く。
「何やってんだ俺はっ。この間あんな事があったばっかじゃねぇか・・・」
慌てて窓から退こうかと思った時に、先に京平側から見つけられてしまい、手を振って来た。

「・・・完全に見えてんじゃねーかよ・・・」

そう呟いて引きつり笑いをしつつも、一応手を振り返しておいた。


学校に行くために制服に着替え、家を出る。
もちろん工事現場の横を通り過ぎなくてはいけない。
「よぉ」
今日はわざわざ待っていたのだろうか、京平が敷地の外側に出ていた。
「・・・うす」
小さい声で返事をする。
「撮影、来週の日曜になったらしいな」
「ん。昨日連絡来た」
「丁度いいじゃねぇか」
丁度いい、意味が分からず、顔を上げて首を傾げる。
京平は千景の肩に腕を置き、耳元に口を寄せた。

「慣らすの手伝って欲しけりゃ、いつでも呼べよ」

かぁっと顔が赤くなり、肩にある腕を振り払う。
京平は面白そうにくすくすと笑って、帽子を目深に被り直し、仕事に戻って行った。
その後姿を見送って、深く溜息をつく。
「最悪・・・」
一人がっくりとうな垂れると、先が思いやられ、千景は頭が痛くなった。




<END>
いや、今となってはなんで描いたのかは分からない・・・


ドタろち2


ドタチンはドSでろっちーはドMだと思っています。
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うちのドタろちの時のろっちーと、四木ろちの時のろっちーと、正ろちの時のろっちーは結構違うなーと思います。
ろっちーの乙女度がw
四木さん相手>>>ドタチン相手>>>>越えられない壁>正臣
です。

「四木さん・・・隣、座ってもいい・・・?」すごいきゅるるん。
「わざとかよ、京平さん。あんたホント天然たらしだよな・・・///」ちょっとデレ
「紀田っ!手前は必要以上近付くな!」激しいツン。
どれもガチ可愛いwww

ろっちーの正臣の呼び方が、最初は普通に正臣だったんですが、最近紀田呼びもいいなーと思います。
なんか一線越えてない感じがww
正臣くん、とか正臣さん、は犯罪臭しかしない。

正臣から千景の呼び方が、チカだったら凄い萌えるなー。
いつもは千景さんなんだけど、咄嗟に呼ぶ時に「チカ!」って言ったら萌えて死ねる。

四木さんが六条を呼ぶ時は「六条さん」だと思います。
もうここぞって時は「千景」だよね。やだ四木さんかっこいい。

あああまた六条の話で長くなってしまいました。
六条のおかげで萌え語りできるようになったよ!
私も最初はろっちーって呼んでたのに最近じゃ六条だし^▽^
全部愛ゆえです!
そろそろクロスロードの原稿やろうー!

2010.11.22
ドタろち漫画
最近正ろちとか四木ろちとかだったので、ドタチンを描くのは久しぶりでした。
正臣もドタチンも描いててホントに楽しいキャラです。
正臣はあの大きく三つに分かれた前髪と、耳のピアスを描くのが好きです。
あと瞳もおっきめだからはっきり描けますし。
ドタチンは眉から鼻にかけてがくっと落ちる輪郭線が大好きです。
あと耳の近くのもみ上げ描くのが好きです。
でもドタチンの帽子はすごく難しいです。
帽子自体は丸みがあるのに、実際に丸い線で書くと男らしさがなくなると言う><
ろっちーが一番安定しないっ
包帯に帽子でワイシャツの襟ぐりも苦手だし、やっぱり可愛く描きたいし・・・
なるべく正ろちの時はツンツンしてる感じに描いてます。
ドタろちの時はきゅるるんっvて感じのろっちーが好きです。

以下はドタロチ漫画ですー。いい夫婦の日に間に合ってよかったっ


ドタろち


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『過ぎ行く海岸線【2】』


千景と門田は、まるで今までも一緒に住んで来たかのように、何の問題もなく毎日を過ごしていた。
門田はベッドで、千景は少し広めのソファで眠り、千景の時間に合わせて門田も起床する。
朝ご飯のパンとコーヒーを二人で用意し、食べ終わると千景は学校へ行った。
その間門田は、忙しくて手を付けられていなかった宅建と言う、建物に関する試験勉強をしている。
夕食は千景が学校の帰りがけに出来合いのお弁当を買って、夜はテレビを見たりゲームをしたりして、また眠った。

(幸せ過ぎて逆に怖ぇっつの・・・)

実際の所、実家に居るより、門田の家に居た方が気が休まる。
好きな人が触れ合える距離で身近に居る事が、ここまで生活に充実感を与えるものだとは知らなかった。
門田は大らかで優しいし、たまに見せる仕草がどきっとするほどかっこよかった。
一つ、意外だった事がある。
ほんのたまにだが、門田が煙草を吸っていると言う事だ。
今まで見た事のない姿だったので、初めて見た時は素直に驚いてしまった。
目撃した時門田は、バレたか、とちょっと可愛げのある表情で苦笑して、灰皿に煙草を押し潰していた。
そうやって一緒に暮らしていなければ知らなかった部分が、少しずつ見えてくる。
千景はそれがたまらなく嬉しかった。
知れば知るほど門田の事が好きになり、最近では学校での授業中も、門田の事が頭から離れない始末である。

そして千景はいつものように、夕飯を門田と一緒に食べていた。
テレビを流しながら、学校の話をぽつぽつとしていると、不意に門田が話題を変えた。
「千景、お前そろそろ1週間になるけどよ。一度も家に帰ってないよな?」
千景は口に運ぼうと思っていた箸を、ぴたりと止めた。
「あんまりうるさい事言いたかねぇけどよ。連絡はちゃんとしてんのか」
門田は、大人として千景の心配をしているのだ。
千景は分かっているから、箸を置いて、しっかりと門田の目を見た。
「母さんからメールが来たから、一応返事はした」
「父親の方はうちに居るって知ってんのか?」
千景は目線を下げ、首を振る。
「さぁ、知らねぇ。あの人の事は、俺には分かんねぇよ」
それきり押し黙ってしまう千景に、門田も食べる手を休めた。
「言いたくなかったらいいんだけどよ。でも俺もお前を預かってる身もあるし、どう言う状況なのか話してくれねぇか?」
門田の言い分はもっともだった。
未成年の千景を、何の考えもなく置いてやるほど、非常識な人間ではない。
千景はしばらくたって、重たい口を開いた。
「・・・今の母さんは、本当の母親じゃねぇんだ。おふくろは3年前に病気で亡くなっちまった」
だから「母さん」などと行儀のいい呼び方をしているのだと、門田は納得した。
「おふくろが亡くなって、すぐに親父は今の母さんと結婚したんだ。・・・俺ちょっと納得できなくてよ」
千景は一つ息を吐き出して肩を落とす。
「向こうも俺のそう言う気持ち分かってるみてぇで、元々仲が良かったわけでもないから、ますます話さなくなっちまった。その上俺が暴走族始めただろ?もう最悪よ。顔合わせるとくだらない事ばかりするな、族を抜けろとか」
思い出したように眉を寄せた後、千景は首を振った。
「・・・いやでも、俺だって親が暴走族を嫌う事なんて分かってんだ。ノーヘルだって犯罪だしな。分かってんだけど・・・」
その後に言葉は何も続かなかった。
きっと一言では言い表せない、複雑な感情なのだろう。
千景は頭の回転がよく、人の事を思いやれる人間だ。
だからこそ親を突っぱねる事も出来なければ、かと言って暴走族を抜けることも出来ないのだ。
「最近は母さんが俺の顔色うかがってるのも嫌になって、・・・あんまり家に居たくなかったんだ」
全てを聞き終えて、門田は一口茶を啜った。
テーブルに湯飲みが戻されると、門田は口を開く。
「そう言う時こそ、お前の好きなバイクだろ」
言われて千景が顔を上げた。
「埼玉には海がないからな。近い所で東京湾でもいい。海を目指して走れ。そしたら憂鬱な気持ちなんて、一気に吹っ飛ぶさ」
門田はそう言って笑った。
千景は面を食らったように目を丸くすると、くすっとつられて笑みを浮かべる。
「まぁ・・・でもそうだな。そんなのも、いいかもな」
門田の穏やかな口調が、千景の気持ちを軽くした。
(やっぱ好きだな、京平さんの事・・・)
ぼんやりと、門田の角張った顔の輪郭を見つめた。
(なんで、俺の事部屋に置いてくれるんだろう)
ここ数日、淡い期待が心の中に住み着いて出て行かない。
同情や優しさだけじゃなくて、何か他の感情もあるのではないかと、つい思ってしまうのだ。

するとそこへ、突然来訪を告げる部屋のチャイムが鳴った。
それも一回や二回ではなく、立て続けに何度も鳴らされ、ガチャガチャと鍵が掛かっているドアを開けようとしてる。
あまりの物音にぎょっとしてると、門田が立ち上がった。
一瞬見えた表情は、険しく陰りがあったよう見えた。
門田は相手を確認する訳でもなく、すぐに鍵を開ける。
知り合いなのかもしれない。
ドアが開くと、細身の男が入ってくるなり門田に抱きついた。
「もう、遅いよ!俺ドタチンに会いたくて死ぬかと思った」
黒いファーつきのコートに、指輪をはめた中性的な男だった。
初めて見る顔だ。
「臨也」
門田は彼の名前をそう呼んだ。
「久しぶりだね、俺が居なくて寂しかった?」
べたべたとまとわり付く臨也を、振り払うわけではないが、にこりともせずに「入れ」と促した。
臨也が部屋に足を踏み入れ、千景の顔を見た瞬間、さっと鋭い目つきになる。
先ほどの笑顔が嘘のように、見下すような瞳で鼻で笑った。
「・・・誰?この人」
臨也に問われ、動揺を隠せないまま千景は立ち上がった。
「俺は・・・」
言いかけると、門田が首を振って手のひらを向けた。
「臨也。こいつは六条千景。今色々と事情があって俺んちに泊めてんだ」
「泊めてって・・・この部屋に?一緒に寝てんの・・・?」
臨也の眉根に皺が寄る。口角が上がり、憤りを露わにして手を強く握る。
「何それ・・・っ聞いてない!最悪・・・ッなんでそんな事してんの・・・っ!」
声の音量は大した事がないのに、内臓に響くような声だった。
「俺はベッドに、こいつはそっちのソファに。抗争に巻き込まれてるみてぇだから、かくまってんだよ」
理由に少しの嘘が混ざっていた。
言い訳をしなければならない相手なのだろう。
臨也は逆毛を立てた猫のように、千景を睨みつけて威嚇した。
門田が近寄って、臨也の肩を掴む。
そのまま腕を伝い、手の甲に触れながら、
「しまっておけ」
そう言っていた。
何かを取り出そうとしたのかもしれないが、それが何かは千景には分からなかった。
門田に触れられた事によって、不思議と臨也は冷静さを取り戻したようだ。
瞳が落ち着いた色に変化して行く。
臨也はポケットに手を突っ込むと、横目で千景を見やった。
「・・・これがあのTo羅丸の?」
どうやら千景の名前だけは知っているようだった。
今度は腰を折って下から見上げるように、千景を見つめる。
「周囲からすごく慕われてるってウワサだけど」
こんな奴が?とでも言いたいような目つきだった。
フォローするように、門田が千景を見て優しく笑う。
「格好いいもんな、千景は」
臨也は鼻で笑った。
「ふん、確かに。いい帽子だね」
いちいち皮肉な物の言い方に、いつもの千景だったら怒り出している所だった。
しかし口を開かなかったのは、その臨也と言う存在に圧倒されっ放しだったからだ。
ヒステリックな態度はまるで女のようなのに、叫ぶ言葉は低く、呪いの言葉のように耳にまとわり付く。
まだ会って少しの時間しか経っていないのに、アリ地獄に引き込まれている気分だ。
「まぁ、茶でも飲んで行けよ。それぐらいの時間はあるんだろ?」
門田はこの恐ろしい男を前にしても、まったくひるむ様子もない。
慣れているのかもしれないが、どのようにして慣れたのかが謎だ。
「時間はあるけどね。他の人といちゃいちゃしてる所をお邪魔するほど、俺だって空気読めなくないよ」
「別にそんなんじゃねぇよ」
咄嗟に否定したのは千景だ。
「そう?そんな目でドタチンを見てるって言うのに?」
「ドタチン・・・?」
「この人間の事さ。いいあだ名だろ?俺が付けたんだ」
なんとも返事のしようがなく千景が黙っていると、臨也がくるっと向きを変えて背中を見せた。
「帰る。じゃあね」
玄関に向かう臨也に、引き止める事もなく門田も背後から付いて行った。
「大人しく新宿に帰れよ。あんまこの辺うろうろするな。今は静雄がこっち側にいる時間だからな」
「優しいねぇ、ドタチンは。その優しさが、誰かを傷つけないといいんだけど」
臨也は嫌な笑みを浮かべながら、千景に目配せをすると、ドアを開いて出て行った。
門田はしばらく玄関口から顔をのぞかせ、臨也の姿を見送っている。
しかし突然門田が走り出し、臨也の後を追っていった。
どうかしたのだろうかと、何の気はなしに自分も玄関のドアを開いて目を向けた。
そして再度慌ててドアをしめて身を隠す。
見てしまったのだ。
門田と臨也が抱き合っている姿を。
先ほどの二人の会話のやり取りから、普通の友人同士でない事は分かっていたが、自分の目で見てしまうほど辛いものはなかった。
(なんだ・・・やっぱ俺の勘違いか・・・)
ほんの一時でも、もしかして俺の事がなんて思っていた自分が恥ずかしかった。

しばらくたつと、門田が、部屋に戻ってくる。
盛大な溜息を吐き出し、千景に向き直った。
「悪かったな、千景。高校時代からの友人なんだが・・・」
門田は首の後ろを手でさすった。
言い辛そうにしている門田の気持ちを察して、千景はにこっと笑った。
ちょっとぐらい引きつった笑顔でも、今の門田には分からない。
「・・・なんか、凄ぇ人だったな。あんな存在感のある奴、初めて見た」
率直な感想を漏らすと、門田はかえって安心したのか、少しだけ笑った。
「最近あいつ情緒不安定みたいでな。元からあんな風に取り乱す奴じゃねぇんだ」
「そうなのか」
それも意外なような気もした。
目線を下げた門田の顔は、いつになく複雑そうな表情をしている。

「あんなでも結構寂しがり屋でよ。・・・今はなるべく臨也の近くに居てやりてぇんだ」

千景の胸に鋭い痛みが走った。
門田にとって臨也は、大切な存在なのだ。自分よりもずっと。

「なぁ、あんたとあいつって・・・」

そこまで言いかけて、千景は再び口を閉ざした。

そんな事を聞いてどうする。
千景は首を振って、俯いた。



全4話のドタろち中編小説です。
あ、パソコンから見たブログのトップ画像変えてみました~。


『過ぎ行く海岸線【1】』




友人の門田が骨折をしたと電話で聞いた時は、あまりに驚いて携帯を床に落としてしまった。
門田の事となると居ても立ってもいられず、千景はバイクに飛び乗った。
マンション前にバイクを停めると、門田の部屋まで小走りで移動する。
慌しくチャイムを鳴らせば、いつもと変わらない様子の門田が出迎えてくれた。
顔を見た瞬間、ぎゅうっと強く胸が締め付けられる。
門田と会う度に、心の中の思いが増長して張り裂けそうだった。

「京平さん・・・っ、大丈夫なのか・・・?」

門田は穏やかな表情を見せる。
「心配して来てくれたのか?まぁここじゃなんだし、上がれ」
門田に促されるままに、千景は部屋に足を踏み入れた。
ここに来るのは、もう何度目になるのだろう。
少なくともいつもより少し散らかっていると分かる位には、この部屋に来た事がある。
門田がキッチンでコーヒーを入れてる間、千景は机の下にばらけていた書面をまとめていた。
「ああ、悪いな」
門田が部屋に戻って来た。千景は首を振る。
「いや、これくらい。その手じゃどうにもなんねぇだろ」
門田は大した事はないと言っているが、右腕がぎっちりとギブスで固定されている。
三角巾はもう外してもいい時期だそうで使ってないが、それでも不自由そうなのは明らかだ。
大きい手でカップ二つを片手で運び、テーブルの上に置いた。
「生活は一応できてはいるんだがな。仕事に行けねぇのが難点だ」
「いい機会だ。あんた最近すげぇ忙しかっただろ?治るまで休めばいいじゃねぇか」
「生活掛かってんだぞ、こっちは。まぁでも骨折って言っても小さいみたいでよ。全治3週間だと」
それを聞いて千景は、不幸中の幸いだと少しだけ安心した。
門田に入れてもらったコーヒーを一口飲み、素朴な疑問を投げ掛ける。
「なぁ。何しててケガしたんだ?」
骨折と言う言葉で動揺してしまって、原因まではまだ聞いていなかったのだ。
門田は顎先に指をあて、考える素振りをしてから口を開く。
「ケンカ・・・になっちまうかな」
「ケンカ?あんたが?」
千景は驚いて目を丸くする。
門田がケンカをすること自体が珍しい訳ではないが、自分が負傷してしまう程激しいケンカをするタイプではない。
逃げる手段も持っているだろう門田に、千景は質問を畳み掛けた。
「なんでそんなケンカしたんだ?あんた強いし、それにいざとなったらワゴンがあるだろ?」
「別に俺だってそこまで強いワケじゃねぇよ。それに、逃げられない理由もあったしな」
「逃げられない理由・・・?」
千景が眉を潜めると、門田はふっと笑みを零した。
その僅かな表情の変化に、千景は一瞬どきっとして鼓動が早くなった。
「・・・お前を追ってたようだったからな。居場所を知らねぇかって絡まれたんだよ。TO羅丸に恨みがあるみたいだったぜ?」
千景の動きが止まる。
真剣な表情になり門田と視線を合わせた。
「それってもしかして、左腕にイレズミのある・・・背の高い男か?」
「ん?ああ、そう言えばなんかのイレズミがあったな。まぁ暴走族もいいが、ほどほどにしとけよ」
そう言って門田は、何の気もなくぽんぽんと千景の頭を撫でる。
千景は門田から告げられた事実を上手く飲み込めず、一度ぎゅっと目をつぶって頭を垂れた。
「ごめん・・・っ京平さん、どう考えても俺のせいだよな・・・、本当、なんて言ったらいいのか・・・っ」
「千景」
「そいつら、覚えがある・・・。この間うちのチームと揉め事起こした奴だ。報復に来っかなとは思ってたけど、まさかあんたに迷惑が掛かるなんて・・・っ」
消化できない感情に、千景は握り込んだ手を震わせた。
門田はそんな千景の肩に、優しく手を置く。
「お前が責任感じる必要はねぇよ。そう思うだろうから、言わなかったんだが・・・。逃げようと思えば逃げれた。でも俺が好きでそうしなかっただけだ」
「なんでだよ・・・っ」
門田と目線を合わせられなかった。
申し訳ない気持ちが大きすぎて、やり切れない思いが溢れ出てしまう。
「ケガばっかりしてるお前に、これ以上ケガが増えたら困るだろ。少しくらい俺がもらったって、大した事ねぇよ。・・・な?」
骨折なんて大きな負傷を、なんでもないように言われ、余計に自分が情けなくなってくる。
いや、自責の念だけではなかった。
そうやって門田は、いつもさりげなく自分をかばってくれるから、もしかして自分が特別なのではと期待してしまうのだ。
実際は門田は誰に対しても優しかった。
だから千景は、門田に対しての気持ちを、今までずっと言えずにいた。
本当はもう、随分前から門田の事が好きだった。

色々と考えていると、門田に声を掛けられてはっと我に返る。
「だから千景。しばらく注意しろよ。一応脅してはおいたが、鉄パイプとか持ってたからな。ああでも、お前には自慢の兜割があるか」
そう言って門田は軽く笑った。
気にしないで欲しい、と言う門田の気持ちが、十分に伝わってきて、千景は顔を上げた。
「あんた優しすぎるよ」
「・・・それがお前のためにならないなら、悪い事をした」
ぼそりと呟かれたセリフに、千景は複雑そうな表情で俯いた。
しばらく二人の間に沈黙の時間が訪れたが、やがて千景が意を決したように一つ頷く。

「俺、今日からここであんたの世話をする」
突然の提案に、門田は頬杖を付いていた手を解いた。
「って、お前・・・まさかここに泊まるのか?」
「その手じゃメシも食えねぇだろ?作んのは無理だけど、買いに行くくれぇは出来るしさ。あと片付けとか?」
「学校どうすんだよ。今夏季休暇でもねぇだろうが」
「だって学校、埼玉っつっても川口だぜ?なんならこっちからの方が近ぇよ」
「ああ、そうか」
言われて思わず納得してしまった。
千景を見やると、すでに決意も固い表情をしている。
責任を感じてほしくはないが、千景の気が晴れないと言うのなら、それもいいかもしれないと門田は思った。
何よりも利き手が使えない事には、本当に不自由を感じていたからだ。
「いや、待て。肝心な事忘れてたが、親はどうすんだよ。さすがにまだ学生なんだから、怒られるんじゃねぇのか?」
親、と言う単語が出た瞬間、千景の顔が強張る。
ほんの一瞬だけ、空気が張り詰めたような気がした。
「・・・親は、大丈夫だ。なんも言って来ねぇよ」
明らかにトーンダウンした声に、勿論気付いてはいたのだが、門田はあえて追求はしなかった。
年齢を考えれば親に反抗してしまう時期であるし、若い頃にの自分も覚えがあったからだ。
何かあるのだろうと意を汲み、一つ息を吐く。
「そうか、じゃあしばらくの間よろしくな。千景」

門田が手を差し出して来たので、千景からもおずおずと手を握る。
大きくて力強くて、暖かい手のひらだった。




ドタろち同盟を立ち上げました!

PC対応
doumei.gif

同盟設立にあたって、たくさんの方にご協力頂きました。
藤吉さん、グロねこさん、たかやさん、くろたさん、るーさん、はーさん、みず様、雪彌さん、さっちー、のむちゃん、げつさん、つかさん、虹ノ幽さん、本当にありがとうございました><
素敵な作品を飾らせて頂けて、本当に嬉しく思っています。
忙しい中、時間を作って作品を上げてくれて感謝しています。
デュラナビに仮登録中で、問題なければ数日中に本登録が済むと思います。

閲覧者の皆様も、見ごたえのある同盟サイトとなっておりますので、ぜひご覧頂ければと思います。
なお、今後しばらくは作品の投稿募集を継続させて頂いておりますので、そちらの方もよろしくお願いします。

これを機にドタろちがもっと広まればいいな、と思います。
この度は本当に有り難うございました^^

気付いたらろっちー関係の原稿が5本になってた・・・大丈夫かな・・・

ドタろちのR18小説です。
なんか血迷った内容になってしまいました^^
ろっちーが可愛すぎて生きてるのが楽しいです><





『この盃を受けてくれ』


夜に京平が、ビールを飲んでいた時の事だった。
「いつも美味そうに飲んでるよな、それ。そんなにおいしいのか?」
京平の部屋のテーブルに肘をつき、千景は缶を指差した。
意外に思って、京平は目を開く。
「…飲んだ事ねぇのか?暴走族なのに?」
「暴走族だから、だろ。飲んだら運転できねぇじゃねぇか」
「ヘルメットはしねぇくせに、そこはしっかり守ってんだな」
その基準がよく分からなかった。
京平は飲みかけた缶ビールを、千景の方へ差し出しながら言う。
「飲んでみるか?もし酔っ払っても、うちなら大丈夫だろ」
すると千景はぱっと明るい表情に変えて、好奇心旺盛な瞳で酒を見つめた。
「おー、飲んでみる。これビール?」
「日本酒もあるけどな。とりあえず一口飲んでみろ」
手渡された缶に口を付け、少なめの量を飲み下す。
「…?苦い?なんか、炭酸のジュースみてぇ」
「ジュースは甘いだろ」
「コーラとかちょっと苦くね?ジンジャエールとか。そんな感じ」
その感想に、京平はにっと笑った。
「へぇ。じゃあ普通に飲めんだな」
「おう。ちょっと美味しい気もするぜ」
そのままぐびぐびと飲み続けたが、特に顔色や口調が変わったりする事もないので、京平も安心して飲ませていた。
もう少し飲んでみたい、と言うので、今度は日本酒を少しだけ注いでやった。
こっちの方が好きかも、と千景が笑う。
雑談を交えつつ、酒を酌み交わしていると、心なしか千景の顔が赤くなっているような気がした。
「そろそろやめとけ。茶でも飲むか?」
そう言って京平が立ち上がろうとすると、千景が手で制した。
「あ、自分で取ってくる。冷蔵庫開けるな」
そして立ち上がろうと膝を伸ばした瞬間、千景はいきなりどさっと床に倒れ込んだ。
突然の事でびっくりしてしまい、慌てて京平は千景に近寄る。
「おい、千景。大丈夫か?」
地べたに崩れ込んでいる千景の肩を揺する。
「んー…、平…気」
呂律が回っていない口調で、千景は答えた。
急に酔いが回るタイプなのだろうか。
京平は千景の膝の裏と首に腕を回し、抱きかかえてベッドに連れて行った。
「待ってろ、水持ってくるからよ」
ベッドから離れようとすると、千景が手を伸ばしてくる。
「京平さん」
呼び止められ、京平は立ち止まった。
「行かないで」
千景のそのセリフに、京平はぎょっとしてしまう。
そう言った女々しいセリフを、千景の口から聞いたことは無かった。
相当酔っ払ってしまったのだと思い、京平は千景の顔に触れる。
「大丈夫か?顔赤いぞ」
「京平さんの手、冷たくて気持ちいい…」
頬にある京平の指を取り、自分の指とも絡ませた。
そして千景はおもむろに、その指をぺろっと舐めた。
最初は可愛らしく指にキスをしていたが、やがて指を口内まで侵入させ、舐め上げ始める。
時折整った歯が当たって、ぞく、とした感覚が指先に走り、京平は千景を咎めた。
「おい、酔ってんだろ。やめねぇか」
「京平さんの指、太くてごつごつしててすげぇ好き。同じ男なのになんでこんな違うんだ…?」
「いや、そりゃ…俺は仕事柄手も…おい、千景」
「指だけじゃ足んない」
千景は体を起き上げると、フローリングの床に膝を付け、ベッドに腰を落としている京平の前へ座った。
そして京平の腰にあるベルトを外し、ファスナーに手を掛ける。
「おいっ、千景っ」
「京平さん…したい。俺の口で…駄目?」
千景は潤んだ瞳で、京平を見上げた。
そんな顔をされると、駄目だと強く言う事もできない。
しかし京平は残ったわずかな理性で、酔った人間に対してこんな事をさせるのはまずい、と考えていた。
何も答えない京平から目線を外すと、千景は勝手にファスナーを下ろし下着をずらして、それを取り出す。
「ちょっと待てって、千景…っ」
頭を押さえて離そうとするが、不意に自身を覆う生暖かい感覚が伝わって来て、眉を寄せた。
千景はまだ柔らかいそれを、口内に含み舌を這わせた。
「っ…」
下半身から、唾を吸い上げる淫猥な音が響く。
(…ったく、どうせなら酔ってねぇ時にやってもらいたかったもんだぜ…)
京平は胸中で毒づく。
千景とはそれなりに長く付き合っているが、今のように口でする愛撫は、してもらった事がなかった。
だから嬉しいような気もするし、やはり酔っ払い相手に悪いような気もした。
「ん、…ぅ…」
千景は口だけで器用にものを扱き、先端には舌の表面を這わせている。
手馴れているのかと思ったが、それは京平のやり方を真似しているだけに過ぎなかった。
そうやって口淫を続けながら、千景は自分の着ているシャツのボタンを外して行く。
すべて外し終わると肩から滑り落とさせ、一度口を離した。
「はぁ…京平さん、俺にも触って…?」
ほんのりと赤く染まった肌を見せられると、京平は小さく頭を振った。
もう駄目だ、と思ったのだ。
唇に伝う透明な糸、上気した頬に、包帯やガーゼで隠れる胸元。
我慢できるはずがなかった。
「千景」
肩をがしっと掴む。そのまま引き上げてベッドに押し倒すつもりだった。
しかし千景はふるふると首を振る。
「まだ。もっと俺にさせて。京平さんの、舐めたい」
千景は吸い寄せられるように、再び京平のものにしゃぶり付いた。
今度は手も使って、手のひらで覆い上下にゆるく擦る。
京平はたまらずに、千景の背中に手を伸ばし肌に触れた。
もう片手は髪に差し込み、千景から与えられる刺激に吐息を熱くさせた。
「ん…京平さんのおっきい…こんなのが入ってるなんて、すごい…」
普段の千景からは想像もできないような、ストレートな言葉が飛んでくる。
「千景、もう口いいから。ベッド上がって来い」
「…まだ、待って…ん」
千景はそう言うと、今度は自分の下服のファスナーを下げ、膝まで落とした。
そして人差し指と中指に舌を滑らせ唾液を含ませると、背中から腕を回し後孔にあてがった。
「っ…ア、…う…」
くちゅ、と音を立てて、自らの指を飲み込んで行く。
「は…ぁ…っ」
千景は一度強く目をつぶった。瞳の端に涙が滲む。
内壁を擦るように指を抜き差しさせながら、開いた片手を京平の太腿に置き、口淫を再開させた。
「ん…、ふぁ…」
京平は今目の前で起こっている状態が、夢ではないのかと疑った。
普段は気の強く一本気な男が、自分のものを深く咥えて、後孔からはぐちゃぐちゃといやらしい音を響かせている。
本当にこれが千景のやっている事なのか、よく理解できないでいた。
ただ一つ言えるのは、これ以上我慢はできないと言う事だけだ。
京平は千景の髪の根元を掴んで引っ張り、顔を離させる。
「っ…?」
怪訝そうな表情を見せる千景の体を抱き上げると、ベッドに沈めて上から覆い被さった。
「お前、酔うとそんなになるのか…?」
「酔う…?俺、酔ってなんかねぇよ…」
しかしとろんとしたその瞳は、どう見てもシラフには見えなかった。
京平は焦る様な手つきで千景の下服を下着ごと剥ぎ取ってしまうと、腰を掴み寄せた。
「入れてもいいよな…?」
千景はそれに答えるように、京平の首に手を回して耳に唇を近付ける。
「早く…入れて、お願い京平さん…俺が嫌だって言っても、やめないで…」
何かが、弾けた様な音がした。
頭が真っ白になって、千景の事しか見えなかった。
京平は千景の濡れた秘所へ自分自身をあてがうと、ゆっくりと腰を押し進める。
わざと焦らした訳ではなかったのだが、千景は切なげな目線を京平に向けた。
京平の腰を引き寄せるように、白く細い足をするりと巻きつける。
「千景」
京平は千景の腰を強く掴み直すと、遠慮などなしに腰を深く打ち付けた。
中で液体が混ざり合うような音が、室内に響く。
千景はシーツをきゅっと握り、呼吸を乱れさせた。
「あ、ぁあ…っや、あ…っ京平…さ…っん、…っ」
貫かれる度、千景は甘い声を上げた。
京平は夢中で、自身を抜き差しさせるように動く。
「はぁ…っあ、ぁあ…っいい…京平さんの、固くて気持ちいい…っ」
「ああ?これが好きなのか?」
京平も、普通なら言わないような言葉をつい口走ってしまった。
千景は涙を浮かべてこくこくと頷く。
「好き…っ大好き、京平さん…っだからもっとして…っ」
ベッドがきしむ音がするほど、激しい律動で千景の腰を攻め続けた。
千景の開いた唇からは、唾液が端から伝っていた。
「ぅあ…っ!あ、駄目、やだ、京平さん…ッあ、…ぁあ…――ッ!」
びくびくと小刻みに痙攣すると、千景は自分の腹に白い精を放つ。
内壁を強く締め上げれば、京平もつられるように奥へ熱を吐き出した。
「はぁっ…はぁ…っ」
千景の頬から汗とも涙ともつかないような、透明な雫が滑り落ちた。
京平が腰を離すと、どろりと秘所から白濁した液体が流れ出る。
しばらく放心するように千景が一点を見つめているものだから、心配になって声をかけた。
「千景…?千景、大丈夫か?」
頬に手を差し込むと、千景は目を閉じた。
気絶で意識を失ってしまったのだろうかと思ったが、次第に穏やかな寝息が聞こえてきて、ほっと一安心する。
(とりあえず…)
京平も、我に返って現実を見つめた。
(シーツでも変えておくか)
千景が冷静になった時の事を考えると、気の毒に思えた。


◆◇◆◇◆


はっと目を覚まして起き上がると、ここがどこで今が何時だかさっぱり分からなかった。
きょろきょろ周囲を見渡すと、風呂から上がったばかりの京平が戻って来る。
「おう、気が付いたか」
「…俺…?」
眉を寄せて、不思議そうな表情で京平を見上げる。
「お前、酔って意識を失ってたんだよ。もう大丈夫か?」
「酔って…?」
千景はそれでもまだ理解しかねるように、怪訝な表情を浮かべる。
京平は一つ息を吐き出した。
「なんだ、本当に覚えてないのか?頭痛くねぇか?」
「頭…は、別に痛くねぇ。つか何時?今」
「深夜の2時」
「マジでっ?じゃあ俺、2時間以上も…?」
京平の部屋に来た時間から逆算して、驚きの声を上げる。
「まぁ、そんなもんだな。風呂入って来いよ。それでもう寝ちまえ」
「うわー…そっか。悪い、迷惑かけたな。風呂入ってくるわ」
そう言って千景が立ち上がろうとすると、がくっと膝が落ちて体勢が崩れてしまう。
「あれ…なんか、体が重い」
京平は千景の腕を掴んで立ち上がる手伝いをすると、軽く咳払いした。
「酒飲んだからじゃないか?人によっては、関節痛くなったり、体がだるくなったりするしな」
「そっかぁ、俺酒弱かったんだな」
京平に連れられるまま風呂場まで来ると、千景はもう大丈夫だと手を離した。
「悪かったな、京平さん。もう飲まねぇようにすっからよ」
「いや、また飲もう。」
何故か即答ではっきり答える京平に、千景は首を傾げた。
「でも、あんたに迷惑掛けちまうし」
「別に迷惑だなんて思ってない。俺もたまには呑み相手が欲しんだよ。遊馬崎達も飲まないしな」
納得したように、千景は頷く。
「そっか、じゃあまた飲もうぜ。今度は酔わないようにちょっとにするし。有り難うな」
脱衣所のドアが閉まり千景の姿が見えなくなると、京平はその場に立ち竦んだまま腕を組む。

「礼を言いたいのはこっちの方なんだがな…」

千景の泥酔した姿は、しばらく本人には言わないでおこうと京平は思った。



a.jpg

プログラムは前回挿絵を描いてくれたるーさんに作って頂きました><
何から何まで有り難うございます!

※パソコンからでしかプレイできません。
※↓「ゲームを始める」クリックで別ウィンドウが開き、音楽が流れます

ゲームを始める

バッドエンド率高いです。しばらく経ったら解答載せます^^