弱虫ペダルログ置き場
新開×今泉
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  11 12 13 14 15 16 17 18 19 20  21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  31 32 33 34 35 36 37 38

漫画 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  11 12 13 14 15 16

小説 1 2

兄今
絵小説 1 2
御堂筋×今泉
1 2 3 4 5 6

漫画 1 2 3 4

金今
1

鳴今
1 2
荒今 絵小説 1 2 3 4

荒東
1 2

その他色々 絵 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 『君に恋した』(1) (2) (完)
デュラララ!!ログ置き場
シズイザ 小説 『部屋から出たくない』 ※R18 『人目』 『惚れた弱み』 『待ち合わせ』 漫画  絵  (ツガサイ) (ドタロチ要素) ドタイザ 漫画 ミカイザ 小説 『触れてはいけない』シズイザ要素 漫画 ドタろち 小説 『身代わり』 シズろち要素 『週末の恋人』 ドタイザ要素 『謝恩』 『分かりやすい男』 ドタイザ要素 『最後の人』※R18 『見えない明日(1) (2) (完)』 『俺の気も知らないで』 『この盃を受けてくれ』※R18 『二通りの関係』シズイザ要素 『過ぎ行く海岸線(1) (2) (3) (完)』 『恋の撮影現場』(前) (後) 漫画     6 絵         10 11
四木ろち 漫画 11 小説 『ファーストクリスマス』 『アフタークリスマス』 ※R18 『新年早々』 『不意打ち』 『知るも知らぬも地獄の沙汰 正ろち 絵  5 6 漫画  小説 『2回目の許諾』※R18 その他  To羅丸
結構前に書いた小説をUPし忘れていました><
そろそろ夏コミですね。ドタろち本があるといいな~。
ドタろち同盟サイトは、おかげさまでそろそろオープンできそうです。
作品数も14個と、見ごたえのあるサイトになりそうです><
もうしばらくお待ちください^^





『二通りの関係』



千景が京平の家に向かう途中に、臨也は突然現れた。
しかしその突然の出現も、こう回数を重ねられるといい加減慣れて来てしまう。
千景はまたかと言う面持ちで、バレないように溜息を吐いた。

なかば強制的に、近くのカフェに引きずりこまれる。
最初の頃は「俺は用事があるんだよ」など言ってはみたが、「ドタチンなら後1時間は帰って来ないよ」と突っ返された。
そしてそのセリフを言われた日、京平は本当に仕事が押して1時間遅れた事もあった。
どこかで情報を仕入れ、それを見計らって千景の元に足を運んでいるのだろう。

いつものごとく、臨也は千景を相手に、自分の愚痴を言い始める。
愚痴の大部分は、静雄に関する事だった。
千景は臨也におごってもらったアイスコーヒーを飲みながら、
(こいつ友達いないんだな・・・)
と失礼な事を思っていた。

すると臨也が、聞いてる?と目線を奪って行く。
千景は慌てて、小さく二度ほど頷いた。
「それにシズちゃん、ホントたまにしか好きって言ってくんないし」
そんな話題だっただろうか。
しばらくぼうっとしていたので、唐突に切り出されたような気がした。
「たまにって?」
「2日に1回くらい。少ないよね」
千景は思わずコーヒーをふき出しそうになる。
(2日に1回って・・・)
口元を押さえ、ちらっと臨也を見た。
相変わらす不機嫌そうな目元だ。
「俺多分、京平さんに好きって言った事ないけど」
千景がそう言うと、臨也は意味が分からないと言うように、首を傾げた。
「え…?どう言う意味?」
「いや、そのまんまの意味。俺も別に言われた事ない」
臨也は驚いて目を丸くする。
臨也との付き合いもそこそこ長くなるが、こんなに驚いている臨也を見るのは初めてかもしれない。
「は?え?何それ、じゃあなんで付き合ってんの」
「なんでって、付き合ってくれって言われたから。ありがとうっつって付き合い始めたんだよ」
「あー・・・じゃああれ?「好き」とかじゃなくて「愛してる」、みたいな?」
「お前静雄とどんな付き合い方してるんだよ…」

千景の呆れた顔の意味を、臨也が理解することはなかった。


◇◆◇◆◇


「シズちゃーん、居ないのー?」
勝手に作った合鍵で部屋に上がり、静雄の姿を探す。
出かけているのかと思ったが、不意に奥の部屋の方から、窓が開く音が聞こえた。
「臨也。こっち」
静雄はベランダに出ていた。
いつものバーテン服ではなく、ラフな服装で煙草を片手に持っている。
「ベランダに出て吸ってるなんて珍しいね」
言いながら臨也は、自分も静雄の側に近寄った。
「お前が煙草臭いってうるせぇからな」
怒っていない時の静雄は、本当に穏やかそうな青年だった。
臨也は一度静雄を見上げると、胴体に腕を回してぎゅっと抱き付く。
煙草の匂いが鼻腔をかすめた。
「服にもにおい付いてるよ」
「そんぐらい我慢しろ」
煙草を携帯灰皿に押し付けると、臨也の頭をぽんぽんと撫でる。
臨也は抱きついたまま体は離さず、静雄に質問した。
「シズちゃん、俺のこと好き?」
静雄は嫌そうに眉寄せた。
「なぁ。その質問、いい加減聞き飽きてくれねぇか?通算何千回されたと思ってんだよ」
「1日3回として高校から今まで7年間だから7千6百6十5回くらいじゃない」
よどみなく計算されると、イラ立つよりも本当に呆れてしまった。
「ななせんろっぴゃく・・・お前も大概しつけぇよな・・・」
「聞かれるのが嫌なら自主的に言えばいいのに」
「そう思って自主的に言った日もあったけどよ、お前はそれプラス三回聞いてきたぞ。意味がねぇ事は実証済みだ」
臨也はちっと舌打ちをすると、顔を静雄の胸元に埋め、服を掴んだ。
「ねぇ、そんな事が聞きたいんじゃないんだ。シズちゃん。7千回も聞かれてるんなら分かるでしょ?」
こんな時ばかりは、普段のからかうような口調もない。
ここで「嫌いだ」と言われればこのままベランダから飛び降りて死んでしまうのではないかと思うほど、声を張り詰めて問い掛けて来る。
静雄は臨也を強く抱き寄せると、顎を掴んで上に向けさせた。
唇を優しく触れ合わせて顔を離し、もう一度臨也を腕の中におさめる。
臨也の黒くしなやかな髪に唇を寄せ、囁いた。
「臨也。好きだ」
静雄の真摯な言葉に、臨也は嬉しそうに笑った。
いつもの、口端だけを上げてにやりとするような笑い方ではない。
心の底から安堵して、ひと時の安らかな幸せを得たような笑みだった。
「うん。シズちゃん、俺も好き」
この笑顔があるから、臨也の悪態もすべて水に流せてしまう。
静雄に頭をくしゃっと撫でられると、臨也はふと、千景の事を思い出した。

(こんな幸せな気分になれないなんて、千景くんて可哀相)

愛の言葉を口にしない千景達が、臨也には信じられなかった。


◇◆◇◆◇


一方その頃、千景は京平のマンションの部屋の前に居た。
ポケットの中から、キーホルダーを取り出す。
自分の家の鍵にバイクの鍵、それに京平の部屋の鍵が加わってから、もう随分経った。
その鍵を使って部屋に入ると、すでに京平はテーブルに向かい雑誌を読んでくつろいでいる。
仕事で遅くなる、と聞いていたので、千景は少し驚いた様子を見せた。
「あ、帰ってたんだな。ごめん、京平さん。勝手に上がらせてもらっちまった」
一応チャイムを押せばよかっただろうかと思っていると、京平は軽く笑った。
「何言ってんだよ。鍵渡したっつー事は、そう言う事だろ」
「そっか」
なんだか嬉しいような、少し気恥ずかしいような思いを抱きながら、千景は帽子を取って京平の隣に座った。
「お、珍しい。バイクの雑誌なんか読んでんのか?」
テーブルの上に置かれた雑誌を、身を乗り出して覗き込む。
「都内の移動も多いしな。荷物が少ねぇ時はバイクも便利だと思ってよ」
「へぇ。京平さんがバイクか」
車を運転している姿はよく見かけるが、バイクに乗っている姿を見た事はあまり見かけない。
大型でいいんだよな、と言いつつ千景の目に一つのバイクが留まった。
「これとかいいんじゃねぇ?かっこいい」
指が差された先には、ヤマハVMAXと言う、いかにも暴走族が好きそうな大型二輪があった。
排気量の欄を見てみると、1200ccもある。
「こんなの仕事で乗れねぇよ。第一こんなゴツいバイク、お前じゃ起こせねぇだろ」
「起こせるっつの!・・・てか、え?別に俺のことを考えなくても・・・」
乗るのは京平なのだから、と思っていると、京平は口ごもり、ぼそぼそと呟いた。
「まぁ今は乗らねぇだろうけど、一緒に住み始めたら使う機会もあるだろ」
京平の未来には、当然のように千景が居るのだ。
その揺るぎない信頼に、千景は嬉しくて顔をほころばせた。
京平の肩に頭を預け、バイク雑誌に再び目線を落とす。

「・・・京平さん。俺スカイウェイブの250がいいな」

そう言って千景は、可愛げのあるバイクを指差しした。
京平が小さく、くす、と笑った声が聞こえる。
そして不意に、千景は先ほど会った臨也の事を思い出した。

(好きって言われなきゃ自信持てないなんて・・・臨也も可哀相な奴)


結局自分が一番幸せだと思っている、おめでたい臨也と千景だった。



旦那は嫁の話になるとついノロケてしまうのに、嫁はシビアに愚痴になると言う絵を描こうとしたら
自然とどっちもノロケになってしまいました。




ドタチン亭主関白萌える。無意識に独占欲丸出しとか萌える。
ろっちーも困りつつ嬉しがっちゃう。

臨也とろっちーの組み合わせも好きです。
基本臨也がろっちーに何かしらの八つ当たりをしてる感じ。
漫画で描きたかったけど消化できなそうだから文で書きます><


-----------------


パシッと、頬を打たれた音がした。
突然の事で避ける隙もなく、千景は痺れる様な痛みに顔をしかめた。
「な、何・・・?」
目の前で憮然とした表情の臨也に、平手打ちをした理由を問いただす。
臨也は悪びれる様子もなく、不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「べっつに。いいでしょ、ちょっと殴られるぐらい。千景くん打たれ強いんだしさ。」
高慢な物言いに、千景はかっとなって言い返してしまう。
この男に口でかなうはずがないと分かりながらも、なぜか手を上げる事は出来ないでいた。
「あのなぁ、打たれ強いっつったって痛ぇもんは痛ぇんだ!俺は静雄とは違うんだからよ」
「シズちゃんの名前なんて出さないでよ!」
臨也は強い口調でそう吐き捨てると、踵を返して早足にその場から居なくなってしまう。
意味が分からないまま千景は、臨也の背中を見送った。
(何あれ、女みてぇ・・・)
臨也の行動は怒っていると言うよりも、ヒステリックと表現した方が正しかった。
(まぁ女だと思えば、怒る気も失せるな)
自分が臨也に手を上げられない理由はこれか、と妙に納得する。
千景は叩かれた頬を指先で撫でると、ふと腕に付けている腕時計が目に入った。
その腕時計は、先日京平に買ってもらった物だった。
(あー・・・それで)
臨也の事だ。
その腕時計を誰からもらった物かなんて、分かっていたのだろう。

(・・・気に食わねぇんだな。京平さんが自分以外の誰かを気にかける事が)

いつまでも親離れをしない臨也に、呆れを交えた溜息を吐いた。